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勉強するでもなく漫然とPCを見ていてふと思うことがある。たとえば今朝、前田先生
からのメール(読者はおそらく数百人いると思う)に、こうあった:
『【今日の韓国語】
「暮らしの韓国語表現6000」(今井久美雄著)から。
ノートに書いて音読して下さい。
1、失礼ですが、どんなお仕事をなさっているんですか。
2、建設会社で、おもに高層ビルの設計図を描いています。
1、실례지만, 직업이 어떻게 되세요?
2、건설 회사에 다니는데 주로 고층 빌딩 설계도 그리는 일을 합니다. 』
1番目の例文はゆうきさんの『カフェで使える韓国語表現!』に出てきたWiFiの
パスワードの聞き方と同じだ。年齢、名前、そして今回の仕事と同じ聞き方をす
るんだなと漫然と考える。『仕事は何か?』『何の仕事をしているのか?』とい
う風なぶしつけな初心者風の質問は相手の気持ちを考えるとまずいと思う。これ
らは明治時代の警察官の職務質問に近い。この例文のように『お仕事は何になり
ましょうか?』という柔らかい婉曲表現がいいみたいだ。
2番目の例文は僕にいわせれば誤訳に近いと感じてしまう。韓国語の原文は『建
設会社で』ではなく『建設会社に通っているんですが』というこれもまた婉曲的
な表現だ。もしくは韓国語の表現習慣かもしれない。場所を示す日本語的な『で』
を使わずに『通っている』と発想するのだろう。場所ではなく自分の関わり方や
身分を明らかにしようとする志向性のある言語なのかも知れない。『設計図』も
面白い。『ソルケド』の『計図(ケド)』の音は『計画(ケフェク)』『地図
(チド)』などで既習済みだけど、『ソル』の音がどうしても『設』に結びつか
なかった。でも考えてみると日本語の『せつ』に対応する韓国語の『ソル』と
いう発音は『小説(ソソル)』『李雪主(イソルチュ)』にも出てきていて、
知っている単語も多い。よく考えれば『ソル』という韓音から日本語の『せつ』
に違いないと思いついたはずだ。勘のいい人は即座にそれが分かるのであろう。
なるほど漢字語は語彙を驚異的の増やしてくれるツールかもしれない。